NPO法人もったいない学会第1回サロン(2019年度)「地質災害・農業・マイクロプラスチック」

日 時:2019年6月12日(水)14時50分から16時50分
場 所:東京大学山上会館001会議室
https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_02_j.html

プログラム

■14:50-15:10
【講演1】

タイトル:北部ベトナムにおける地質災害
発表者 :大久保 泰邦 もったいない学会会長・宇宙システム開発利用推進機構

発表資料

 

■15:10-16:00
【講演2】
タイトル:農業とエネルギー -施設栽培における自然エネルギーの活用-
発表者 :小峰 正史 NPO法人秋田地球熱利用事業ネットワーク 理事長・秋田県立大学生物資源科学部准教授
講演内容:
日本の農業は,面積で見ると水田が約54%,畑・園芸作物が45%を占め,ビニルハウスなどによる施設栽培の面積は全体の1%程に過ぎない。にもかかわらず,農業生産に使われる石油の量は,施設栽培で全体の約14%を消費し,プラスチック廃棄物量では全体の約83%を占める。このように,施設栽培は大量のエネルギーを投入して行われており,それが高品質な農産物の生産につながると同時に,農家の経営を圧迫する原因となっている。特に,今注目されている植物工場は大量のエネルギーを消費する栽培施設であり,いかにエネルギーコストを抑え,付加価値の高い植物を生産するかが課題となっている。

演者は実用的な植物工場を実現するために,薬用植物などの高付加価値作物の生産技術の確立を主たるテーマとして研究を行っており,同時にエネルギーコスト低減のための自然エネルギー活用の有用性についても実証試験を行っている。本発表では,日本の施設栽培・植物工場の現状をエネルギーの観点から解説する,自然エネルギーなどを活用することの有効性についても示す。

発表資料

 

■16:00-16:50
【講演3】
タイトル:マイクロプラスチックの実態と解決案
発表者 :五十嵐 敏郎 もったいない学会理事
講演内容:
海洋プラスチックごみ問題,特にマイクロプラスチック問題は,新聞の一面を飾ったりテレビのトップニュースとして取り上げられるなど,社会の関心が高まっている.さらにG7やG20でも主要議題として取り上げられるなど,政治問題にもなってきている.

プラスチックは,用途に合わせて超硬質プラスチックから超軟質プラスチックまで様々な種類を開発し上市してきた.また,ガラス繊維や炭素繊維などとの複合化,多層フィルムの開発などで用途を拡大し,過去50年で生産量が20倍も増加して世界全体では年間3億トンを超えるまで成長した.現在も年率5%で増え続け,今後20年で倍増すると予想されるなど金属・セラミックスと並んで3大材料の地位を確固たるものにしてきた.

しかし,種類の増大,複合化や多層化はリサイクルを困難にしており,プラスチックのマテリアルリサイクル率を高める上で大きな障害となっている.その結果,不本意に投棄される(leakされる)プラスチックごみが河川や運河を経由して海洋に流出し,紫外線や波力で細片化したマイクロプラスチックが大きな社会問題になってきた.

サロン講演会では,最初にマイクロプラスチックの現状と課題について簡単に触れた後,今後の対策案について述べる.プラスチック,特にレジ袋に使われるポリエチレンの用途が,短期使用のフィルム・シートに偏っているのが根本原因で,管理可能な長期用途に変えていく必要がある.また,付加価値の取れるリサイクルポリエチレンの用途開発も喫緊の課題である.近い将来膨大な一時避難者の発生が予想される関東直下地震や南海トラフ地震で,避難生活を少しでも快適に過ごすための製品開発が必要であり,この用途にリサイクルポリエチレンを使用する可能性についても言及する.

発表資料1
発表資料2

 

終了後、懇親会を予定

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