NPO法人「もったいない学会」とは、正式には「石油ピークを啓蒙し脱浪費社会をめざすもったいない学会」という。
エネルギーと文明の関係を正しく理解し、石油ピーク後の社会を皆で考え拡げていくのが目的、2006年8月に発足、翌年東京都の法人となった。
日本の心「もったいない」で、「脱浪費、脱石油」文明を構築する、思考の中心は「石油ピーク」である。現代文明は石油が支えるが、それに限界が見える、だがそれに代わるものはない。
現代農業は石油漬け、運輸機関も流体燃料である石油が欠かせない。様々な化学物質も石油から作る。
つまり「石油ピークは農業ピーク、そして文明ピーク」なのである。しかし誤解の無いよういっておく、「石油ピーク」は「枯渇」を意味せず、需要動向によってピークの時期、ピーク後の減退も動的なのである。
それへの対応は、脱浪費、無駄をしない「もったいない」と思うことである。だがこれは生活水準の低下を意味しない。「無駄とは」とは「要らない」という意味だからである。
経済恐慌の元凶、アメリカの浪費をまねない、膨張指向のグローバリズムにも振り回されない、新しい「日本の理念」を構築するのである。自分で考え、脱欧入亜を目指すのである。
本来、成長は正義でない、技術も万能ではない。「足を知る」ことである、「持続型の発展」はもう時代遅れ、指数関数的なGDP成長は、「地球有限」でありえないのである。
「資源は質が全て」を理解し、自然と共存する理念を構想して世界にも広めたいものである。
私の主張:「日本のプランB」
大陸育ちのレスター・ブラウンの「プランB」などではなく、「日本の自然、地勢」を取り入れた「日本のプランB」、
1)浪費、無駄しない、日本は世界6位の「海岸線の長さ大国」、大陸ではない山岳75%
2)西欧文明の終焉、脱欧入亜を目指す、アメリカ主導のグローバリズムは自壊する
3)1970年頃を目指そう、当時エネルギー消費は半分、食料自給率は60%、現在より「心は豊か」であった
4)少子化、人口減をチャンスとする、民族の生存には人口が少ないほど有利、年長者も働く
5)流体燃料危機である、車社会を見直し、鉄路、公共運輸の充実、自転車を利用する
6)集中から地域分散、低密度の自然エネルギーは分散利用、評価はEPR(エネルギー収支比)
7)日本列島を有効に使う、石油依存農業の見直し、地産地消の自然農業、分散社会への技術
8)循環社会は3R;Reduce(減量)Reuse(再利用)Recycle(リサイクル)の順、先ず減量
9)効率優先社会の見直し、集中から地域分散、自然と共存をはかる、これは60倍の雇用を生む
10)GDPの無限成長より「心豊かに」、「もったいない」、「ほどほどに」、「人のつながり」を重んじる社会。
いずれも可能なことばかり、雇用も増やせよう、それは石油社会は人間一人が60人の奴隷を抱えている勘定となるからである。
1970年頃、一次エネルギー消費は今の半分、食料自給率は60%と高く、人の心は「今より豊か」だった。
石井 吉徳会長(故人)