講師:五十嵐 敏郎 先生(もったいない学会 理事)
日時:2021年5月23日(日)15:00~17:00
場所:オンライン
参加費:無料
内容:20 世紀は 1908 年の T 型フォードの生産開始や 1913 年の部品製造での流れ作業の採用など,同一規格品を大量生産し,大量輸送し,大量消費し,大量廃棄する世紀であった.21 世紀も同じことが続くのであろうか.
最近,この問いの答えに影響する二つの大きなできごとが生じた.一つはプラスチックごみ問題,マイクロプラスチック問題に対して解決策を示すことが求められる.もう一つは,with corona,post corona 時代には,モノやヒトの移動が制限される.これは一過性の問題ではなく,これからも新しいウィルスによるパンデミックが繰り返し起こることを覚悟しなければいけない.
これらの問題に対処するために、プラスチック成形として,真に必要なモノを,必要な時期に,必要とされる場所で,必要な個数だけ成形するシステム,すなわち地産地消のプラスチック成形というモノづくりの新しい哲学が求められる.また,使用しているプラスチック製品をできるだけ長く使い続け,物性的または社会的な寿命が終わった製品を解体・粉砕し,新しい製品に再生する技術やシステムも求められる.
ここでは私が専門とするマイクロプラスチック問題を取り上げ,真の解決にはプラスチック成形を循環型の構造に変革する必要があることを述べる.そのためには,これまでの3R(Reduce, Reuse, Recycle)では不十分で,新たに3R(Refuse, Redesign, Repair)を加えた6Rが必要である.また,モノづくりの変革だけにとどまらず,社会全体の変革が必要であり,社会システムのRedesignが求められる.その一例としてモノづくりとも関係するRepair社会の構築の必要性を述べ,北欧諸国で始まっている実例を取り上げる.社会システムのRedesignの必要性は,これまでoil crisisを実例としてもったいない学会が取り上げてきた大きな命題でもある.チケットを入手してイベントに参加しよう!
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