【日時】2014年10月1日(水)15:00-17:00
【会場】東京大学本郷キャンパス工学部3号館4階35号講義室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_04_j.html
プログラム
15:00-15:30
「日本人は歴史から、何を学んだか」
石井吉徳会長(故人)(東京大学名誉教授、元国立環境研究所所長)
明治の近代化以来、日本人は日本そのものを知るのを怠った。そして今、マネー・技術至上主義で史観も思想もない。もう石油が減耗している、非在来型では文明維持は出来ない、そこで為政者、リーダは自然エネルギーより原子力に期待する。
が、それには10万年の時間スケールの史観が欠かせない。
さらに石油ピークは食料ピークだが、流体燃料である石油減耗はグローバリゼーションを停滞させる、持続するのはネット経由の情報、つまり知恵と思想の時代となるが、それが最も苦手の日本、そこで僭越ながら私の史観ご参考。
15:30-16:15
ここまで来ている風力発電
林 農理事((公益)名古屋産業科学研究所・上席研究員 元名古屋大学客員教授,鳥取大学名誉教授)
今、日本では洋上風力発電の時代が開かれようとしています。
平成21年度から始まったNEDOの洋上風力発電実証試験は千葉県銚子沖(2.4MW,離岸距離3.1km,水深11.9m)と北九州沖(2MW,離岸距離1.4km,水深14.0m)の2カ所に於いて、着床式の洋上風力発電実証試験および風況観測システム実証試験が行われてきて、いよいよ最終段階に差し掛かったところです。
これらの実証試験の真っ只中の平成23年3月11日に起こった東日本大地震による津波と東京電力福島第一原子力発電所事故は、遠い将来の開発目標であった浮体式洋上風力発電の研究開発を急発進させました。
東日本大震災の被害からの復興の一環として、福島県に風車産業の一大集積地の創出と雇用の創出に大きな期待が寄せられており、日本の主要な輸出産業の一つに育成することを目指しています。
その他に環境省が長崎県五島市椛島周辺海域にダウンウインド式2MWの浮体式洋上風力発電の実証試験を実施しているのを合わせて、全国4つの海域において、着床式および浮体式の洋上風力発電所が完成し実証発電を開始しています。
また、超低周波騒音問題、バードストライク問題などは、社会受容性の研究課題として社会科学の研究者達が取組み始めています。
16:15-17:00
ハンブルク市ハーフェンシティの挑戦 -石油資源減耗後の都市生活について考える-」
五十嵐 敏郎理事(京都大学・金沢大学)
20世紀の文明を支えてきた石油資源の減耗が21世紀半ばまでに現実化するなかで、21世紀も人口の大都市への集中が引き続き起こると予想されている。
石油減耗時代に対処するためには、大都市の持つ物質的な豊かさよりも地方の持つ精神的な豊かさに魅力を感じるように、地方で雇用を創出して大都市に住む住民を誘導していくという考え方が本命であろう。
しかし一方で、大都市への集中が必然であれば、大都市を精神的な豊かさに魅力を感じる都市に変えて行くという発想も第2選択として必要と思われる。
講演では、ドイツ第2の大都市であるハンブルク市が21世紀型の新都心として建設中のハーフェンシティを取り上げ、その理念や計画の進め方について触れるとともに、大都市に精神的な魅力をもたらすためには何が必要かについて自説を述べる。
キーワードは大人のためにサンマ作りである。
17:30~
懇親会を予定しています(本郷界隈にて)
参加申込みはこちらからお願いいたします。
コメントを残す