岩崎 裕・松島 潤
新エネルギーには、太陽光発電、太陽熱発電、雪氷熱発電、バイオマス、地熱発電、風力発電、マイクロ水力発電などがあり、エネルギー現の多角化が図られている。
しかし、新エネルギーは大半が太陽や風力などの自然エネルギーであり、これらはエネルギー密度が低いため、石油に替わるエネルギー源に成り得ないという考え方も存在する。
そこで、新エネルギーの”質”について分析を行い、既存のエネルギーとの定量的な比較を行うことで、新エネルギーの代替可能性について検討する必要がある。
エネルギーの”質”を評価するための科学的アプローチとして、エネルギー収支分析がある。エネルギー終始分析とはEPR(Energy Profit Raito:エネルギー収支比)を求め、その値をもってエネルギーの”質”を評価していく分析方法である。
最近注目されている新エネルギーの1つにマイクロ水力発電があるが、エネルギー収支分析はまだ行われていない。
そこで実際に稼働しているマイクロ水力発電を視察・調査し、エネルギー収支分析を行った。
その結果、発電が十分にできるほどの水量や落差の確保が容易である地点におけるマイクロ水力発電はEPRが高く、エネルギーの”質”の観点では有望な発電システムであると結論付けた。
ただし、蓄電池を導入するとEPRが低下してしまうため、例えば夜間発生するエネルギーは蓄電池に蓄えるより捨てたほうが効率的であると解釈できる。
また、今回の評価対策は商業的に操業していない場合であることも、評価結果を解釈する場合に注意を要する。
投稿者: | 岩崎 裕・松島 潤 |
Category: | 論文(WEB学会誌) |
日付: | 2010年8月31日 |
公開日: 2010年8月31日