久保田 宏
1.FIT制度の適用を受けたバイオマス発電量は余りにも小さい
NPOバイオマス産業ネットワーク(BIN)のバイオマス白書 2016年(文献 1 )から、2015 年12月末時点で、再生可能エネルギー(再エネ)固定価格買取制度(FIT制度)の認定を受けたバイオマス発電設備容量(ただし、石炭混焼のバイオマス発電でのバイオマス利用比率から計算した設備容量の値を含むが、正味でプラスのエネルギーを生産しないメタン発酵の値は除外した)は、2,818,792 kWである。
いま、このバイオマス発電設備の年間平均の設備稼働率を0.8 と仮定すると、
(バイオマス発電量)= (設備容量2,818,792 kW)
×(年間平均設備稼働率 0.8)×(8,760 h/年)= 197.5 億kWh/年
と計算される。
これは、日本エネルギー経済研究所の統計データ(エネ研データと略記、文献 2 )に記載の2014 年度の国内総発電量 10,536.3 億kWh.の僅か1.87 % にしかならない。ただし、これは認定済みの設備での発電量の推定値である。
同じデータ(文献 1 )から、現在稼働中の設備の発電量を、同様にして、設備容量の値459,696 kWから推算してみると、32.2 億kWh/年で、上記の認定量の 16.3 %、国内総発電量に占める比率は0.31 % と極めて僅かな値にしかならない。
投稿者: | 久保田 宏 |
Category: | オピニオン(WEB学会誌) |
日付: | 2016年10月26日 |
公開日: 2016年10月26日
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