安藤 満
2011 年 3 月 11 日東北地方太平洋沖地震(マグニチュード Mw: 9.0)の津波による震災が起こってから、現在 15 ヶ月過ぎている。それ以降東京電力福島第 1 原子力発電所に、重大な破壊が引き起こされている。震災以来原子力発電所(原発)近辺の大気、土壌、陸水、海水環境がヨウ素-131、セシウム-137、セシウム-134 等の放射性物質によって著しく汚染されている。原発から放出された放射能汚染の湿性沈着と乾性沈着によって、環境と食品が汚染されている。
原発周辺の土壌は高度の放射性物質汚染に曝され、事故後日本の広い範囲が汚染され、原発から 170 km 離れたつくば市の大気中に低濃度の放射性物質が検出された。
現在、原発事故により汚染地域から約 16 万人の人々が避難している。
放射能汚染への怖れから、多数の人々が原発から離れた非汚染地域へ逃避している。
放射線や放射性物質は多種のがんやある種の白血病(白血球のがん)の原因であることが知られている。
がん発症やがん死亡率に関する最も重要な疫学資料は、広島・長崎の原爆投下被爆生存者の生涯に渡る追跡調査である。
さらに最近の研究は、チェルノブイリ原発事故による放射線と放射性物質に高濃度曝露を受けた 60 万人以上のチェルノブイリ原発作業員の白血病発生率が、倍加していることを報告している。
将来に渡り多数の乳幼児、児童、母親が高い放射性汚染物質の地域に住むことになるため、健康診断の徹底が必要である。
投稿者: | 安藤 満 |
Category: | 論文(WEB学会誌) |
日付: | 2012年7月10日 |
公開日: 2012年7月10日