第2回サロン

【日時】2012年7月27日(金)14:00-17:00
【会場】東大本郷キャンパス工学部11号館1階 講堂
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_12_j.html
(工学部11号館の建物に入ってから、左側へ進んでください。つきあたりにある階段をのぼりきったところにあるドアからお入りください。)

3・11から15か月以上が経った現在、火力に依存しつつ節電し長期的には自然エネルギーを増やして脱原発を目指すか、停止中の原発を順次再稼働して不足した電力をまかなうかの二つの選択肢が議論されている。
しかし日本が直面している真の課題は石油ピークであることを忘れてはならない。
欧米は石油を持ち、その延命と世界経済のソフトランディングの方策を模索し、日本がその歯車を回す力となることを期待している。日本は欧米と異なる立場にあり、独自の方策を考えなければ、その歯車の一つとして終わってしまうことになる。
この講演会では、日本にほとんど情報が入らない石油開発の実態と、原子力開発と密接に関連した地球温暖化についてご報告をいただき、日本の立場を理解し、今後の日本の歩むべき道を議論します。

プログラム
【第1部】
話題提供 14:00 – 15:30
タイトル:「ピークオイルと有色人種から見た世界の石油開発」
鈴木勝王 石油資源開発株式会社

非在来型と呼ばれるシェールガス、シェールオイル、オイルサンド、CBMそしてメタンハイドレートなどのエネルギーが脚光を浴びている。
近年の著しい開発技術の進歩は疑う余地はないが、ややもすると期待値に思いをかけたいという論調のものも少なくない。
石油の開発史を参考にした分析から見えてくるものは、スーパーメジャーズに代表される欧米人の腕力や政治力に任せた戦略物資石油の利権獲得、開発方法は経済性を優先するという搾取型開発だということである。
資源最貧国の日本としては、今なお世界経済発展のエンジン役を果している化石燃料について、官民が一体となって産油国と協調して固有のシステムを構築し、息の長い資源開発を目指すべきだろうと思量する。【詳細別紙

タイトル:「地球温暖化は事実か? NASA/GISS気温データベースに基づく分析」
小川克郎 名古屋大学名誉教授
地球温暖化には様々なアプローチがあるが、ここではNASA/GISSの気温データベース(1896−2011)を用いた世界の気温変化の分析から考えられる地球温暖化について考える。
この間の世界平均気温変化は第1期(1896-1935),第3期(1970-2002)の気温上昇期と第2期(1936-1969)、第4期(2003-2011)の気温下降期に分けられる。
但し,気温観測点は北アメリカに偏在しているので、この偏在を補正すると気温変化は多少異なるが,前述の第1−4期は基本的には変わりがない。
このような気温変化は大気二酸化炭素濃度変化だけでは説明出来ない。そこで、一つの指標として「1/黒点周期」を導入する。
この指標は黒点1周期の間の太陽放射エネルギー量が一定と仮定すると太陽活動度を表す指標と考えられる。
この指標はダルトンの小氷期等の長周期の気温変化(私達の分析では周期が55年程度)と整合的である。この指標の変化と二酸化炭素濃度変化とを併せて用いると1896以降の気温変化がかなり良く説明出来ることが分かる。

地球温暖化は事実か? NASA/GISS気温データベースに基づく分析
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【第2部】
討論 15:30 – 16:00
自己紹介 16:00 – 17:00
新しく参加された方が多いので、その方々を中心に自己紹介と意見交換を行います

参加費無料
終了後、交流会(有料)を予定しています。

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