過去コラムのアーカイブ

このページでは様々なテーマのコラムのアーカイブスを掲載しています。
同時にコラムをご覧になった方からのご意見をお待ちしております。
掲載するだけではなく、皆さんのご意見を取り入れてより良い情報を発信できればと考えております。

 

【郡上八幡の「卒業」飛び込み 本当の教育とは】
大久保綾子(元神奈川県立高等学校教諭)

2009年4月8日より、2泊3日で郡上八幡に行ってきました。桜の満開を満喫しました。
板取の渓流を巡り、長良川流域は例年より10日も早い満開でそれは見事なものでした。帰りはせせらぎ街道を通って高山に抜けました。
芽吹く前の淡い茶褐色の里山の美しさに驚きました。

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【フランスのレンタル自転車】
大久保泰邦(産業技術総合研究所)

日本では、歩道に自転車を乗り入れることができるようになっています。
ところがご存知の通り、歩行者と共存するため実に危険で、安全に、かつ快適に自転車を走行することは不可能であります。
日本でも自転車専用道路が増えればと思うのですが、今の道路事情を考えると無理とも思えます。

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【ハバート理論が語るエネルギー・資源と経済のシナリオ】
大久保泰邦(産業技術総合研究所)

ハバート(M. King Hubbert;1903年-1989年)は、石油ピーク論の提唱者として有名である。
1949年、シェル石油に勤めていた彼は、”Energy from fossil fuels”と題した論文を発表し、化石資源の時代は長くないことを予測した。

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【36年毎のオリンピック】
仲津英治(「地球に謙虚に」運動代表)

西暦2008年の今日、中国が世界の耳目を集めています。
その焦点の一つが北京オリンピックです。 近代オリンピックは政治抜きでは語れないと言われています。
私には自分の体験から36年毎のオリンピックと言う流れで捉える考えが浮かんで参りました。
エネルギー・資源問題、食料問題、環境問題にそれぞれ事情が異なるものの、実に強くつながっているからです。
具体的には1936年のベルリンオリンピック、1972年のミュンヘンオリンピックそして2008年の北京オリンピックという36年毎に見る流れなのです。

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【垣間見たインドネシア】
仲津英治(「地球に謙虚に」運動代表)

去る3月お彼岸の頃、仕事の関係で長男夫婦がインドネシアに在住しているところ、孫娘二人を見たさに家族で5泊6日の小旅行をして来ました。
観光旅行ではありますが、初めての国であり、環境、食料、エネルギー問題で印象深いところがありましたので、レポートさせて頂きます。

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【少子高齢社会の都市交通を考える】
小林成基(エコサイクル・マイレージ・事務局長、自転車DO!・事務局長)

自転車は、買い物や保育園、どこに行くにも手軽で荷物もいっぱい積めて、お金もほとんどかからない。ガソリン代が値上がりしても関係ない。
環境に も健康にもやさしい乗り物なのである。
しかし、自転車に幼い子どもを複数載せる行為や傘差し運転、無灯火など、我が国では無謀で危険な使い方をしている。
その背景には、自転車が歩道を通る歩行者の仲間だという「勘違い」がある。

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【“崩壊に関する歴史的考察”を読んで】
大久保泰邦(産業技術総合研究所)

Joseph A. Tainterの「崩壊に関する歴史的考察」(大谷正幸訳)は圧巻である。
社会が複雑になればなるほど、生産性は低下し、終には利潤を得るどころか、損失となるのだという。
資源の例で言えば、木材から石炭への移行が述べられている。
「木材は採取、輸送、利用は単純であるが、石炭はそれに比べ、採掘は単純でなく、輸送システムの確立や利用技術の開発など複雑なシステム、技術が必要となる。
社会は複雑化し、問題解決のためにエネルギーは増加する。

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【農業にもエネルギーを使う】
大久保泰邦(産業技術総合研究所)

農業にもエネルギーを使う?知っていましたか
-家庭菜園をお勧めします-
農業は植物を成長させることなので、二酸化炭素を吸収し、環境に良いことである、と思っていらっしゃると思います。
ところが、 近代化された農業においては大量に石油を使っています。
このことはご存知でしたか。

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【日本・世界の地熱資源について】
大久保泰邦(産業技術総合研究所)

日本の地熱発電は54万キロワット、これを少ないと考えますかそれとも多いと感じられますか?
地熱資源の利用方法には、温泉のように熱水を直接使う方法と、熱水(水蒸気)のエネルギーでタービンを回し、発電する方法があります。
2004年における日本の地熱発電の設備容量は約54万キロワットであります。
この数字は日本の総発電設備容量の約0.2%に当たります。
これは十分に地熱資源を利用しているというべきなのでしょうか。
あるいはもっと資源量はあるのでしょうか。

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NO.4「少子高齢社会の都市交通を考える」について

確かに、自転車が歩道を通ることは、安全性から考えると、”勘違い”であるが、添付写真にあるように”自転車通行可”となっているので、現時点では制度的に何ら問題もなく勘違いでもない。
が、これこそが問題なので、ゆくゆく歩道交通制度を改善する必要がある。また、取り急ぎモラルという形で、安全性を向上させる必要がある。
自転車が危ないからといって、邪魔者扱いし、いきなり車道に追い出すとなると、自転車、車・バイク双方に危険だ。
今後、コラムで指摘されているように、現在の車道を自転車が走れるような道路交通法等の関連法律改正と、道路の規格変更を日本も積極的に行っていくべきだ。
現在は、車社会で、車(以後バイクも含む意味とする)が我が物顔で走っている道路であるが、石油が減耗していくと自然と車の台数も減り、道路交通にゆとりが出てくるのではないかと思う。
電気自動車や水素自動車、燃料電池車は、EPRの観点からすると、今のガソリン・ディーゼルエンジン車に比べると発展性がない。
つまり、極端なことを言うと車は絶滅するのではないか。
車がない道路は、道路と呼べないかもしれないが、車の交通以外に道路はどのように利用ができるかをそろそろ考える必要がある。
今後の道路は、まさに自転車と歩行者、他リヤカー、大八車のためにつくるものなのかもしれない。
ガソリン税からなる道路特定財源は、今後議論する必要がなくなる。
将来は、道路はなくなり、すべて”歩道”だけとなるかもしれない。
道路とは車のためにあるという常識を、石油減耗という新しい観点で検討・議論していかなければならないと思う。
(千葉県我孫子市 汲田 章司)

以下著者小林氏からの回答です
ご指摘のとおり「歩道通行可」がある歩道は通行が許されています。
しかし、条件がついていることは知られていないのです。 条件とは「徐行」と人がいる場合の「一時停止」です。
「徐行」とは人が歩く程度の早さです。このことは自転車に乗っている人も、歩行者も知らないのです。 つまり、「歩道通行可」となっているので、皆勘違いして歩道上で自転車をとばして走り、歩行者を脅かすことになるわけです。
これは大問題、大勘違いなんです。
しかし、問題の核心を見事に指摘されており、将来を見通したまさに卓見であると、深く感銘を受けました。ありがとうございました。


NO.3「“崩壊に関する歴史的考察”を読んで」について

日本は、誰もが、技術大国と自負し、技術によって、エネルギー・環境問題をクリヤーし、持続的な発展ができる、と思いこんでいる。
この「崩壊に関する歴史的考察」の紹介文を読んでみると、日本の、その目論み、または”夢”があえなく却下されそうだ。
エネルギー不足により、日本の技術は破綻し、日本の繁栄は立ちゆかなくなる。
日本文明は世界一速く崩壊するらしい。それはわかった。
しかし文明とは何だろうか?エネルギーや資源がなくても文明は保持できるし発展できる、と思う。もっというと、気持ちの持ちようではないのか。
石油がなくなったあとの社会の有り様は、その時にならないと本当にわからないが、確実に、今のような便利で物質に恵まれた世界にはならない、はず。
資源・エネルギー、既設の物や施設を後生大事に大事に使う、という方法もいいが、石油枯渇後の抜本的に変わる世の有りようを、今から想定し、 それにアジャストする生活や仕事などのスタイルを構築していくことが肝要ではないだろうか。
皆、このような世界を想像するのを恐れて、あるいはまさに文明の発展に全くの疑いを持っていない。 今より”不便”しかし文化的には”豊か”な世の中にする創造の議論が、根本的に抜け落ちていると思う。
(千葉県我孫子市 汲田 章司)


NO.3「“崩壊に関する歴史的考察”を読んで」について

日本社会は、過去 2度にわたり ” オイルショック ” という挑戦を受けたのだが、その応戦は無資源国ゆえに、 どの社会よりも真剣にならざるを得なかったのでしょう。
その結果、省エネルギー技術においては世界でも優等生の評価を得、経済の高いエネルギー効率を実現している。
しかしこれは、Tainter流に言えば、問題解決のために複雑性を増大させた一例なのでしょう。
石油減耗という次なる挑戦は、前 2次のオイルショックとは比較にならない程の苦戦が待ち構えている、というより、勝負にならないのではないか ? 一次エネルギー供給量の低下は、日本経済から力を削がないではおかないでしょう。
それがもたらす購買力の低下は、経済のさらなる低下を招くことでしょう。
こうした” 負のスパイラル ” において、獲得した複雑性は石油減耗の時代においてはみごと逆に脆弱性となるのかもしれない。
すなわち、一次エネルギー供給量のわずかな低下が、GDP を大きく低下させる、つまり ” 負のスパイラル ” の増幅因子となりかねない。

「購買力平価ベースのGDPではすでに中国に追い抜かれ」た日本。
石油減耗にあたっては、私は食糧問題を最も懸念しています。
「日本は世界で一番早く崩壊するのであろうか」との問いかけは、重い。
( 長野県 近藤 哲次 )


NO.1 「日本・世界の地熱資源」について

○我が国の地熱発電の将来目標の検討に際して、これまでは現状と推定資源量を比較して議論を進めることが多かったのですが、 コラム1のようにフィリピンの現状(193万キロワット)をターゲットの一つとして考える方が現実的で、説得力があると思います。
○地熱発電は純国産の自然エネルギーです。
自然エネルギーとしての大きな特徴は、発電設備の利用率が傑出しており、 原子力発電と同等であることです。 実績として、地熱発電設備の年間暦日利用率は69%(2005年度実績)で、ベースロード電源としても評価されています。
高い設備利用率を有しますので、新たな地熱発電設備を100万キロワット増設できると、約160万世帯分の電力消費を賄うことができます。
○国立公園の地下に眠る地熱資源を開発する場合、最新の傾斜堀技術の適用によって、国立公園の地表付近の環境を損なわずに開発を行うことができます。
最新技術の適用によって、規制や制約の背景にある問題を解決できれば、より多くの地熱資源を活用できるはずです。
(地熱技術開発㈱ 中田晴弥)


NO.2 「農業にもエネルギーを使う」について

食品にエネルギーを大量に投入されるようになった理由として、“無駄”も挙げられる。
要するに、食えもしないのに、注文し作らせ、食い残して、あまらせる。
残飯は、食べられない生ゴミとなる。
それと、嗜好の贅沢化。昨今の金余りなのか嗜好の根本変化か、考えの贅沢化なのか、不用意・不必要に嗜好を凝らした料理を食べる。
確かに、車がガソリンを呑むように、エネルギー摂取として食料を食べるより、よりおいしく、優雅に食事したいと、誰もが思うことだろう。
しかし、企業の金儲け主義、マスコミの斡旋、それと個人の欲望が功を奏し、食品が無駄どころか有害に費やされているのではないだろうか。
すべてとは言わないが、糖尿病、癌、脳卒中などの3大疾病、最近話題のメタボリックシンドロームが、贅沢で過度な食事が原因とも言える。
要するに、無駄な食事を摂り過ぎなのだ。まず、この行き過ぎた贅沢、無駄をなくし、食品消費を“リドゥース”すべきである。
メタボリックの胴回りは、まさに無駄の象徴だ。
バイオ燃料については、作れば作るほど、石油エネルギーをじゃんじゃん使う、というこの馬鹿げた現実を、一般の人々は知らない、というか知らされていないのだろう。
仮に、現在の輸送用石油製品をバイオ燃料に置き換えたとした場合、日本の国土の約2倍の耕地が必要で、非現実的だ。
このバイオ燃料の問題のみならず、日本国民は、 現実が如何に頼りないか、という真実を知らされないばかりか、バイオ燃料をはじめとするさまざまなハイテクで、未来永劫生活は大丈夫、レベルは良くなるばかりですという、 幻想を刷り込まれている。
何が言いたいかというと、真実が語られず世論操作されている、という恐ろしさである。 無駄とあわせて、これまた、企業の金儲け主義、マスコミ、個人の欲望の影響が大ではないだろうか。
石油ピーク後の、食品の安定供給の一策として、家庭菜園という手がある。
もっと展開すると、ようするに個人で各家で、昔のように食い扶持は自分で耕して作ろうということ。 いきなり、昔の農耕社会にもどれないので、まず家庭菜園で“実習”していこう、という観点でも、ますますそれが奨励されるべきだと思う。
(千葉県 我孫子市 汲田章司)


NO.1 「日本・世界の地熱資源」について

日本の地熱資源のポテンシャルは、現在54万キロワット。
一方、日本と同じような条件であるフィリピンは193万キロワット。
この違いは、日本の地熱開発は、本当に おいしいところが開発されていないから。
おいしいところは国立公園内。
環境保全とエネルギー確保、どちらを選択しますか、というのがこのコラムの命題と受け止めた。
この問題は、地熱以外、すべてのエネルギー消費についていえること。
車を取るか、二酸化炭素を削減するか、etc…。
地熱に限ると、それはその時の世論次第ではないだろうか。
車については、世論すらならない状態で、暗黙良と認めている。
環境も大事だが、生活・利便も大事。こう判断すれば、国立公園内も開発化という世論も形成されると思う。
ただし、開発可能量の予想がたかだか193万キロワットだったら、自然破壊や資源・エネルギーの投入なんて“もったいない”と思いますが。
(千葉県 我孫子市 汲田章司)