平田 賢太郎
人為起源の CO2の大量排出による地球温暖化が今世紀末の地球に大きな恐怖を与えると、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は主張する。
しかし、その前に、CO2を排出する化石燃料が枯渇(ここで、化石燃料の枯渇とは、経済的に採掘可能な埋蔵量が少なくなることを指す)する。
この化石燃料の枯渇こそが現代文明社会の恐怖となり、その時に真っ先に破綻をきたすのが日本経済である。
いま、日本経済にとって、国民に経済的な負担をかけるとして、大きな社会問題になっている再生可能エネルギー(再エネ)の固定価格買取制度(FIT 制度)を使って、CO2の排出削減に無駄なお金を使う余裕はない。
3.11 福島過酷事故後の世論の多数を占める脱原発の要望を満たすためにも、現状で、CO2は排出するが、最も安価で安定供給が保証される石炭火力が、当面、原発代替として利用されるべきである(久保田、2012)。
いずれ、化石燃料が枯渇に近づき、その輸入価格が高くなり、化石燃料の代替として、再エネを利用する方が経済的に有利になった時に、はじめて、安価な再エネの種類を選んで、順次、使用して行くべきである。
これが、いま、貿易赤字と財政赤字に苦しむ日本経済にとっての生き残る途でなければならない。
投稿者: | 平田 賢太郎 |
Category: | 論文(WEB学会誌) |
日付: | 2015年4月20日 |
公開日: 2015年4月20日